ベーリング海のカニ漁、給料は年収1000万超え？世界一危険な仕事の体験談と日本人でも挑戦できるかを徹底解説

「今の生活のまま、このままでいいのか…？」もし君がそう感じているなら、この記事は劇薬かもしれない。

結論として、ベーリング海のカニ漁は、数ヶ月で1,000万円以上を稼ぐ可能性がある一方、死亡率が非常に高い世界で最も危険な仕事の一つだ。

この記事では、その過酷な実態、リアルな給料、そして君の人生を賭ける価値があるのかを、ドキュメンタリー番組や私自身のテクノロジーという視点から、徹底的に掘り下げていく。

この記事を読み終える頃には、君の中に眠る何かが、間違いなく目を覚ますだろう。

この記事でわかること 3点

なぜ稼げる？ベーリング海カニ漁の「一攫千金」給料システムとリアルな年収

「短期間で大金を稼ぎたい」――君がこの世界に興味を持った一番の理由は、おそらくこれだろう。

結論から言おう。

ベーリング海のカニ漁は、その期待に応えるポテンシャルを秘めている。

だが、それは時給や月給といった安定した給料システムとは全く異なる、ハイリスク・ハイリターンの世界だ。

このセクションでは、なぜ彼らが一攫千金を手にできるのか、その給料システムの核心に迫っていく。

給料は完全歩合制！カニの値段と漁獲量が収入を左右する

まず理解すべき最も重要な点は、カニ漁師に固定給は存在しないということだ。彼らの収入は、水揚げしたカニの量と市場価格によって決まる「完全歩合制」。

船全体の収益から経費（燃料、食料、船の維持費など）を差し引き、残った利益を船長や船員たちの役職に応じて分配する仕組みだ。

つまり、どれだけ過酷な労働をしても、カニが獲れなければ収入はゼロ、場合によってはマイナスになることさえあり得る。

逆に、一度の航海で大量のカニを水揚げできれば、文字通り大金が転がり込んでくる。

すべての収入が、荒れ狂う海の恵みと、自分たちの腕、そして運にかかっている。

これほどまでにシンプルで、残酷な実力主義の世界は他にないだろう。

1シーズン（数週間〜数ヶ月）で300万〜1,000万円超えも。トップクラスの船員の実態

では、具体的にどれくらい稼げるのか。ドキュメンタリー番組『ベーリング海の一攫千金』などによれば、一般的な甲板員（デッキハンド）でも、数週間から3ヶ月程度の1シーズンで300万円から1,000万円以上を稼ぐことがあると言われている。

特に経験を積んだベテラン船員や、好成績を収めた船のクルーであれば、その額はさらに跳ね上がる。

日本のサラリーマンの平均年収を、わずか数ヶ月で稼ぎ出す可能性があるのだ。

君のように「将来のために短期間でまとまった資金を作りたい」と考えている者にとって、これほど魅力的な話はないかもしれない。

だが、これはあくまで成功した場合の話。常にこの金額が保証されているわけではないことを、肝に銘じておく必要がある。

船長や幹部は年収数千万円クラス！ポジションによる給与格差

船のクルーは、全員が同じ分配率ではない。当然ながら、責任と経験に応じて大きな差が生まれる。

• 船長 (Captain): 船の最高責任者。漁場を判断し、クルーの命を預かる。分配率は最も高く、年収は数千万円から、時には1億円を超えることもある。
• 機関長 (Engineer) / 副船長 (First Mate): 船のエンジンや機械の管理、船長の補佐を行う幹部。彼らもまた、高額な分配金を手にする。
• 甲板長 (Deck Boss): デッキ作業のリーダー。屈強な男たちをまとめ上げる。
• 甲板員 (Deckhand): いわゆる平船員。最も過酷な肉体労働を担う。
• 新人 (Greenhorn): 未経験者。最初のシーズンは分配率が低く設定されることが多い。

このピラミッドを見ればわかる通り、下っ端から這い上がり、スキルと信頼を勝ち取ることで、収入は青天井に増えていく。

厳しい上下関係の中で己を磨き、高みを目指す。そんな野心を持つ者にとって、ここは最高の舞台と言えるだろう。

ただし収入は保証されない。不漁や事故のリスクも考慮に入れるべき

繰り返しになるが、この高収入は常に危険と隣り合わせだ。天候不順で出航日数が限られたり、カニの資源量が減少して不漁に終わったりするシーズンも少なくない。

そうなれば、収入は激減する。

さらに、船の故障やクルーの怪我による操業中断も大きなリスクだ。

稼げるはずだった時間が失われ、修理費という追加経費が発生する。

一攫千金の夢の裏には、常に無収入という悪夢が潜んでいる。この不安定さを受け入れる覚悟がなければ、この世界で生き抜くことはできないだろう。

【死亡率0.8%超】給料が高い本当の理由。想像を絶する5つの危険

なぜ、ベーリング海のカニ漁はこれほどまでに高給なのか。

その答えは、彼らが「命」を賭けているからに他ならない。米労働統計局のデータによれば、この仕事はアメリカで最も危険な仕事とされ、その死亡率は全産業平均の数十倍にも達すると言われている。

このセクションでは、その高給の対価として支払わなければならない、想像を絶する5つの危険について、具体的に解説していく。

危険①：氷点下のデッキと高さ10m超の高波による転落・低体温症

ベーリング海の冬は、まさに極寒地獄だ。気温は氷点下20〜30℃に達し、吹き付ける風は体感温度をさらに奪う。

甲板は常に凍りつき、海水のしぶきは瞬時に船全体を氷の鎧で覆い尽くす。

そんな中、漁師たちを襲うのが、ビル3階建てに匹敵する高さ10mを超える高波だ。巨大な水の壁が前触れなくデッキを洗い、立っているだけで精一杯。

一瞬でもバランスを崩せば、容赦無く極寒の海へと引きずり込まれる。

落水すれば、生存率は絶望的だ。

特殊なサバイバルスーツを着用していても、救助される前に低体温症で数分以内に命を落とす危険がある。

危険②：重さ350kgの鉄製カゴ。一瞬の油断が命取りに

カニを獲るために使う鉄製のカゴは、一つが空の状態でも300kg以上、カニで満たされれば1トン近くになることもある。

この巨大な鉄塊を、揺れる甲板の上でクレーンを使い、海に投下し、引き上げる作業を昼夜問わず繰り返すのだ。

嵐の中では、このカゴが巨大な振り子のように揺れ動き、人間を凶器として襲う。

ワイヤーが切れれば、デッキ上を滑るカゴに押し潰される。カゴを海に投下する際、足にロープが絡まれば、一瞬で海中に引きずり込まれる。

ほんの一瞬の油断、一回の確認ミスが、即、死に繋がる。

危険③：1日20時間を超える長時間労働と極度の睡眠不足

カニ漁のシーズンは短く、その限られた期間で最大限の漁獲量を上げるため、漁師たちは文字通り眠る間も惜しんで働き続ける。

1日20時間以上の長時間労働は当たり前。

食事は立ったまま数分でかきこみ、与えられる仮眠時間はわずか3〜4時間。

これを何週間も続けるのだ。

極度の睡眠不足と疲労は、判断力を著しく低下させる。

普段ならしないような単純なミスが、前述したような命に関わる大事故を引き起こすトリガーとなる。

アドレナリンが出続けている間は気づかないが、彼らの肉体と精神は、常に限界ギリギリの状態で酷使されている。

危険④：荒波による船の転覆や、機械への巻き込まれ事故

ベーリング海の嵐は、ベテランの船長でさえ恐怖する。

巨大な波は、屈強な漁船でさえも木の葉のように翻弄し、最悪の場合、船を転覆させてしまう。

また、船上はクレーンや巻き上げ機など、危険な機械が絶えず稼働している。

疲労困憊の中、濡れて滑りやすい手袋で作業している際に、機械に衣服や体を巻き込まれる事故も後を絶たない。

一瞬で手足を失う、あるいは命を落とす危険が、常にすぐそばに存在しているのだ。

データで見る危険性：他の職業との死亡率比較

言葉で危険を説明するのは簡単だが、データはより雄弁にその異常さを示す。

正確な統計は年によって変動するが、ベーリング海のカニ漁師の年間死亡率は10万人あたり80人を超えると言われることがある。

これは、アメリカの全労働者平均の30倍以上、警察官や消防士といった危険とされる職業と比較しても、突出して高い数値だ。

まさに、命がけのリアルがここにある。

カニ漁師の1日とは？具体的な仕事内容と漁の期間

高額な給料と、死と隣り合わせの危険。その両極端な世界で、漁師たちは具体的にどのような日常を送っているのか。

もし君が、本気でこの仕事に挑戦することを考えるなら、そのリアルな生活を想像できなければならない。

このセクションでは、謎に包まれたカニ漁師の具体的な仕事内容、1日のタイムライン、そして漁の期間について、君が船に乗り込んだかのように詳細に解説する。

主な漁のシーズンは秋と冬。期間は数週間〜3ヶ月程度

ベーリング海のカニ漁は、一年中行われているわけではない。資源保護のため、漁獲が許可されるシーズンは厳しく定められている。

主に、秋のキングクラブ（タラバガニ）漁と、冬のオピリオクラブ（ズワイガニ）漁が二大シーズンだ。

一つのシーズンの期間は、漁獲枠の大きさや天候によって変動するが、概ね数週間から長くても3-4ヶ月程度。

この短期間に、一年分の収入を稼ぎ出すために、彼らはノンストップで働き続ける。

一度港を出れば、カニで船倉が満杯になるか、シーズンが終わるまで陸に戻ることはない。

【タイムライン】カニ漁師の典型的な24時間

では、船上での24時間はどのように過ぎていくのか。

以下に典型的なスケジュールを示すが、これはあくまで一例だ。カニが獲れ続ければ、休憩時間など存在しないに等しい。

▼カニ漁師の1日のスケジュール例を見る

時間	活動内容	詳細
04:00	起床・朝食	けたたましいアラームで叩き起こされ、温かいコーヒーと高カロリーの食事を胃に流し込む。これから始まる20時間の戦いに備える。
05:00	カゴの投下/引き上げ作業	前日に仕掛けたカゴの引き上げ（ホーリング）と、エサを詰めたカゴの投下（セッティング）を延々と繰り返す。
12:00	交代で短時間の昼食	全員で食卓を囲む余裕はない。作業の合間に、ギャレー（厨房）で温かい食事を数分でかきこむ。
13:00	カニの選別・仕分け	引き上げたカゴからカニを巨大なテーブルにぶちまけ、規定サイズ以下のカニやメスを素早く海に戻す。サイズを満たしたオスだけを船倉へ。
24:00	作業終了・船のメンテナンス	その日のノルマが終了すれば、デッキの清掃、機械のグリスアップ、ロープの点検などを行う。これも重要な仕事だ。
25:00	食事・シャワー	遅い夕食をとり、海水とカニの匂いにまみれた体を熱いシャワーで洗い流す。数少ない安らぎの時間。
26:00	就寝（仮眠	狭いベッドに倒れ込む。だが、わずか数時間後には、再び過酷な労働が待っている。

このタイムラインを見てどう思うだろうか。

娯楽やプライベートな時間はほぼ存在しない。

ただひたすらに、働き、食べ、そしてわずかな時間眠る。その繰り返しだ。

仕事はカニを獲るだけじゃない。船の清掃、機械の修理、氷砕き作業

甲板員（デッキハンド）の仕事は、カニを獲ることだけではない。船という閉鎖された空間では、あらゆる雑務をこなす必要がある。

デッキの清掃はもちろん、漁具の修繕、エンジンルームの補助、そして極寒のベーリング海ならではの重要な仕事が「氷砕き」だ。

船体に付着した氷は、放置すると重さで船のバランスを崩し、転覆の原因となる。

そのため、漁師たちはハンマーを手に、極寒の中で船体に固着した氷を叩き割るという、過酷で危険な作業も行わなくてはならない。

過酷な環境での食事とプライベートな時間

船の食事は、クルーの士気を保つ上で非常に重要だ。

多くの船では、クルーのために専属の料理人が乗り込み、高カロリーで温かい、ボリューム満点の食事を提供する。

ステーキやラザニアなど、陸と変わらない豪華なメニューが出ることも珍しくない。

これが、過酷な労働を乗り切るための唯一の楽しみと言ってもいいだろう。

プライベートな時間は、前述の通りほとんどない。

ベッドで音楽を聴く、家族からの手紙を読む、あるいは仲間と短い会話を交わす。

そんな些細なことが、彼らにとっては何よりの息抜きとなる。

陸の世界の当たり前は、ここには存在しないのだ。

「俺にもできるか？」日本人・女性がカニ漁師になるための現実的な道筋

この記事をここまで読んだ君の胸には、恐怖と共に「もしかしたら俺にも…」という、かすかな期待が芽生えているかもしれない。

特別なスキルや学歴がなくても、己の肉体と精神力だけで一攫千金を掴めるかもしれない世界。

しかし、その扉は誰にでも開かれているわけではない。

このセクションでは、日本人、そして女性がこの厳しい世界に挑戦するための、現実的な道筋と乗り越えるべき壁について解説する。

結論：日本人でも不可能ではないが、極めて狭き門

まず結論から言えば、日本人であるというだけで、カニ漁師になれないわけではない。

過去には、日本人クルーが活躍したという話も聞く。

しかし、それは極めて稀なケースであり、そのためにはいくつもの高いハードルを越えなければならないのが現実だ。

安易な気持ちで「アメリカンドリームを掴みにいく」といった考えでは、アラスカの港町ダッチハーバーの土を踏むことさえ難しいだろう。

必須条件：就労ビザ、労働許可証、そして英語力

最大の壁は、法的な問題だ。

アメリカで合法的に働くためには、就労ビザが大前提となる。

漁船員としてビザを取得するのは非常に難易度が高く、特別な技能や経験が求められることが多い。

グリーンカード（永住権）でもない限り、まずこのビザの壁を突破することが最初の試練となる。

そして、言うまでもないが英語力は必須だ。

船の上では、船長の指示が聞き取れない、仲間とコミュニケーションが取れない、というのは命取りになる。

緊急時に的確な意思疎通が図れなければ、自分だけでなく、クルー全員を危険に晒すことになる。

日常会話レベルはもちろん、漁に関する専門用語やスラングを理解できる高度な語学力が求められる。

女性は乗れる？体力的な問題と船内の環境

女性の挑戦についてはどうだろうか。近年、様々な職場でジェンダーの壁がなくなりつつあるが、ベーリング海のカニ漁船は、残念ながらまだ男性社会の色が濃い。

これは差別というよりも、極めて物理的な問題が大きい。350kgのカゴを扱い、成人男性でも音を上げるほどの肉体労働に、女性が同じレベルで対応するのは、体力的に非常に厳しいと言わざるを得ない。

また、船内は狭く、プライバシーの確保が難しい。

数ヶ月間、屈強な男たちと閉鎖空間で生活を共にすることになる。こうした特殊な環境に適応できる精神的なタフさも、性別に関わらず問われることになるだろう。

未経験から始めるには？アラスカの港で直接交渉するしかないのか

では、もしビザや語学力の問題をクリアしたとして、未経験者はどうやって仕事を見つけるのか。

求人サイトに募集が出るような仕事ではない。

最も伝統的で、そして唯一の方法と言われているのが、漁のシーズン前にアラスカのダッチハーバーへ行き、港で船長たちに直接自分を売り込むことだ。

欠員が出た船を探し、何隻もの船を回り、「自分は働ける」「体力には自信がある」と情熱をぶつける。

運とタイミング、そして船長に「こいつは使える」と思わせる何かがあれば、新人（グリーンホーン）として雇ってもらえる可能性がゼロではない。

しかし、何の保証もないまま現地へ飛ぶ覚悟と資金力がなければ、スタートラインにさえ立てないのだ。

求められるスキル：体力、精神力、そして協調性

最終的に、この世界で求められるスキルは非常にシンプルだ。

学歴や職歴は一切関係ない。問われるのは、人間としての根源的な強さだ。

君は、この問いに胸を張って「YES」と答えられるだろうか。

【テクノロジー・ライターの視点】過酷なカニ漁を支える技術と撮影の裏側

ベーリング海のカニ漁と聞くと、多くの人が屈強な男たちが勘と経験だけを頼りに、自然という巨大な敵と戦う、極めてアナログな世界を想像するだろう。

その側面は確かに真実だ。しかし、テクノロジー・ライターである私の視点から見ると、その過酷な現場は、実は最先端のテクノロジーによって支えられている側面も持っている。

このセクションでは、競合サイトでは語られない、カニ漁の裏側にある技術と、我々がそのリアルな映像を目にできる理由を解説する。

[管理人エピソード]
以前、GPSや衛星通信技術が、かつては勘と経験に頼っていた漁業をどう変えたかを調査したことがある。その時、強く感じたのは、どんなに技術が進んでも、最終的に荒れ狂う海と対峙するのは生身の人間だという事実だった。テクノロジーはあくまで補助。その事実に、私はライターとして改めて人間の力の凄みを感じさせられたんだ。

GPSとソナー：勘と経験を支える最新の航海・漁労技術

かつて船乗りたちは、星の位置やわずかな海図を頼りに航海していた。

しかし現代の漁船は、GPS（全地球測位システム）によって、荒れ狂う嵐の中でも自船の位置を正確に把握できる。

これにより、危険な岩礁を避け、効率的な航路を取ることが可能になった。

さらに、ソナー（水中音波探知機）は、海底の地形や魚群の動きを立体的に可視化する。

これにより、船長は長年の経験と勘に加え、客観的なデータを基にカニが潜んでいそうなポイントを予測し、カゴを仕掛けることができる。

テクノロジーが、ベテランの経験をさらに鋭く研ぎ澄ませているのだ。

船員の命を守る通信設備とレスキューシステム

広大なベーリング海の真ん中では、携帯電話の電波など届かない。

しかし、衛星通信システムがあれば、船は陸上と連絡を取り合い、最新の気象情報を取得できる。

これにより、危険な嵐を予測し、事前に回避行動をとることが可能になる。

万が一の事態が発生した際に、船員の命を守るのがEPIRB（イーパブ：衛星非常用位置指示無線標識装置）だ。

これは、船が遭難した際に自動的に救難信号を発信する装置で、救助隊はGPS情報をもとに、迅速に現場へ向かうことができる。

テクノロジーは、漁獲量を上げるだけでなく、船員の命を救うためにも不可欠な存在となっている。

ドキュメンタリーはどう撮られている？防水・耐衝撃カメラの進化

我々が『ベーリング海の一攫千金』のようなドキュメンタリー番組で、これほどまでに臨場感あふれる映像を見られるのはなぜだろうか。

それは、カメラ技術の目覚ましい進化のおかげだ。

[管理人エピソード]
最新の防水・耐衝撃カメラの性能をレビューした際、そのタフさに驚愕したことがある。氷点下の環境で、海水を浴びながらも高画質な映像を記録し続ける。まさに、こうした技術の進化が、我々が安全なリビングから極限の世界を「体験」することを可能にしたんだ。

撮影クルーは、GoProに代表されるような小型のアクションカメラを船の至る所に取り付け、漁師たちのヘルメットにも装着する。これにより、従来では撮影不可能だった、漁師目線の迫力ある映像や、荒れ狂う波がデッキを洗う瞬間を捉えることができる。テクノロジーが、我々と極限の世界とを繋いでくれていると言っても過言ではない。

どんなに技術が進んでも、最後は「人間力」が試される世界

ここまでテクノロジーの重要性を語ってきたが、最後に強調したいことがある。

どんなに優れたGPSも、嵐そのものを消すことはできない。

どんなに頑丈なカメラも、甲板員が感じる恐怖や寒さを和らげることはできない。

テクノロジーは、あくまで人間を補助するツールだ。

最終的に、揺れる甲板に立ち、凍える手でロープを握り、巨大な波に立ち向かうのは、生身の人間だ。極限の状況下で的確な判断を下す船長のリーダーシップ、互いを助け合うクルー同士の絆。

テクノロジーが進化したからこそ、最後の最後で問われる「人間力」の価値が、より一層際立つ。私はそう考えている。

ドキュメンタリー『ベーリング海の一攫千金』に学ぶ、男たちのリアルな体験談

この仕事のリアルを知る上で、最高の教科書が存在する。

それは、ディスカバリーチャンネルが制作するドキュメンタリー番組『ベーリング海の一攫千金（原題: Deadliest Catch）』だ。

この番組は、単なる仕事紹介ではない。極限状況に生きる男たちの、生々しい人間ドラマそのものだ。

このセクションでは、番組を通じて、データだけでは伝わらない彼らのリアルな体験談に迫る。

番組の概要と、なぜ世界中の人々を魅了するのか

『ベーリング海の一攫千金』は、複数のカニ漁船に密着し、漁のシーズンの一部始終を追うドキュメンタリーシリーズだ。

2005年から放送が開始され、今や世界的な人気を博している。

なぜこの番組が人々を引きつけるのか。

それは、一攫千金という夢、死と隣り合わせの危険、そしてその中で生まれる濃厚な人間関係という、人間の本能を刺激する要素が詰まっているからだ。

視聴者は、安全な場所から、彼らと共に喜び、怒り、悲しみ、そして恐怖を共有体験する。

これほどまでに心を揺さぶるリアルは、他に類を見ない。

記憶に残る名場面：船長たちの決断と船員たちの絆

番組には、数々の記憶に残る名場面がある。巨大な嵐が迫る中、漁を続行するか、港へ引き返すか、船長が下す苦渋の決断。

仲間が巨大な波にさらわれそうになった時、自らの危険を顧みずに助けようとする船員たちの姿。

特に印象的なのは、ライバル船同士が、互いの危機には協力し合う場面だ。

海の上では、昨日の敵は今日の友。共通の敵である「自然の脅威」を前に、彼らの間には損得勘定を超えた強い絆が生まれる。

こうした姿は、我々に仕事や人生における大切な何かを教えてくれる。

新人船員が経験する過酷な洗礼と成長の物語

番組のもう一つの見どころは、新人船員（グリーンホーン）の存在だ。

何も知らない若者が、ベテランたちの罵声を浴び、失敗を繰り返しながら、少しずつ一人前の漁師へと成長していく。

最初は体力的に限界を感じ、精神的に追い詰められ、船を降りたいと涙することもある。

しかし、それを乗り越え、初めて自分の仕事が認められた時の彼らの表情は、何物にも代えがたい感動を視聴者に与える。

これは、どんな自己啓発書よりも雄弁に、人が困難を乗り越えて成長する姿を描き出している。

「金のためだけじゃない」彼らが語る仕事の哲学と誇り

番組を見ていると、彼らがこの仕事を続ける理由が、単にお金のためだけではないことに気づかされる。

彼らは口々に語る。

「この仕事には、他では味わえないアドレナリンがある」「陸の上の退屈な生活には戻れない」「俺たちは漁師であることに誇りを持っている」と。

自然という偉大な存在と対峙し、己の限界に挑戦し、仲間と生死を共にする。

その中で得られる強烈な「生きている実感」。

それこそが、彼らを再び極寒のベーリング海へと向かわせる最大の理由なのかもしれない。彼らに対するリスペクトの念を抱かずにはいられない。

このセクションで紹介したエピソードは、ディスカバリーチャンネルのドキュメンタリー番組「ベーリング海の一攫千金 (Deadliest Catch)」に基づいています。より深く知りたい方は、番組の視聴を強くおすすめする。
ディスカバリーチャンネル公式サイト 

ベーリング海のカニ漁に関するFAQ

ここまで読んで、君の中にはさらに細かい疑問が湧いてきているかもしれない。

ここでは、多くの人が抱くであろうベーリング海のカニ漁に関する質問について、Q&A形式で簡潔に答えていこう。

まとめ：人生を賭けて一攫千金を狙う覚悟はあるか

さて、ベーリング海のカニ漁について、給料、危険性、仕事内容、そして挑戦への道筋まで、あらゆる角度から掘り下げてきた。

この仕事は、間違いなく現代に残された数少ない冒険の一つだ。

短期間で人生を変えるほどの大金を手にできる可能性がある一方で、文字通り人生を失う危険性も常にある。

テクノロジーが進化しても、その本質は変わらない。

問われるのは、君自身の肉体と精神の強さ、ただそれだけだ。

今の安定した生活を捨て、将来の独立資金500万円のために、この極限の世界に飛び込む覚悟が君にあるだろうか。

最後に、自分自身の心に問いかけてみてほしい。

ベーリング海のカニ漁 挑戦チェックリスト

チェック項目	君の覚悟
体力：350kgのカゴを扱い、20時間働き続ける覚悟	☐
精神力：数ヶ月間、家族や友人と離れ、極度のストレスに耐える覚悟	☐
リスク許容度：高収入の裏にある、命の危険を受け入れる覚悟	☐
語学力・交渉力：ビザを取得し、自らアラスカで仕事を探す覚悟	☐

もし、君がこのチェックリストの全てに、迷いなくチェックを入れられるなら。

それでも挑戦したいという熱い気持ちが、心の底から湧き上がってくるなら。

まずは、その世界のリアルを、君自身の目で確かめてみることから始めてみてはどうだろうか。

ドキュメンタリー番組で、まずはその世界のリアルを体験する

彼らの生き様は、君の人生観を根底から揺さぶるかもしれない。

その上で、自分の進むべき道を決めればいい。君の挑戦を、心から応援している。