「モバイルネットワークが利用できません」でもネットは繋がる?原因と対処法を5ステップで解説

「モバイルネットワークが利用できません」でもネットは繋がる?原因と対処法を5ステップで解説
「モバイルネットワークが利用できません」でもネットは繋がる?原因と対処法を5ステップで解説

「あれ、ネットは繋がるのに電話やモバイル通信ができない…?」

外出先でスマートフォンの画面に「モバイルネットワークが利用できません」と表示され、困惑した経験はありませんか?

 Wi-Fiに接続すればネットは見られるものの、電話がかけられなかったり、Wi-Fiのない場所で全く通信できなかったりと、非常に不便ですよね。

結論から言うと、そのエラーは多くの場合、スマホの簡単な設定見直しや再起動で解決できます。 

この記事では、テクノロジー・ライターであり、ブログ「ゼログラビティノート」を運営する私、管理人が、外出先で急にネットが使えず困っているあなたのために、今すぐ試せる5つの基本対処法から、Android/iPhoneそれぞれの原因別の詳しい解決策までを、私の経験も交えながら順番に解説していきます。

この記事を読めば、以下の3つの点が明確になります。

  • 最初に試すべき5つの緊急対処法
  • Android/iPhone別の詳細な設定確認手順
  • それでも直らない場合の最終チェックポイント

落ち着いて一つずつ確認すれば、きっと解決策が見つかるはずです。

さっそく見ていきましょう。


目次

【結論】まずはコレを試せ!5ステップの緊急対処法チェックリスト

専門的な話の前に、まず誰でもすぐに試せる5つの基本的な対処法を紹介します。

エラーの原因は、意外と単純なことだったりするものです。

私自身も、外出先での重要な会議の直前にこのエラーが表示され、顧客との連絡が取れず冷や汗をかいた経験があります。

その時は結局、これから紹介するステップ3の「SIMカードの抜き差し」で直りました。

まずは焦らず、この5つを上から順番に試してみてください。

STEP

端末を「再起動」する

最も基本的かつ効果的なのが、スマートフォンの再起動です。

これは「何か調子が悪かったら、まず再起動」というパソコンと同じ鉄則です。

スマートフォンは精密な機械であり、長時間連続で稼働していると、内部のシステムや通信関連のプログラムに一時的な不具合が生じることがあります。

再起動することで、こうしたシステムがリフレッシュされ、問題が解消されるケースが非常に多くあります。

電源ボタンを長押しして表示されるメニューから「再起動」を選択するか、一度電源をオフにしてから、数十秒待って再度電源を入れてみましょう。

STEP

「機内モード」のオン・オフを切り替える

次に試してほしいのが「機内モード」のオン・オフです。

機内モードは、スマートフォンの全ての通信機能(モバイルデータ通信、Wi-Fi、Bluetoothなど)を一時的に一括でオフにする機能です。

これを一度オンにし、10秒ほど待ってから再度オフにすることで、通信関連の装置がリセットされ、電波を掴み直してくれる効果が期待できます。

コントロールセンターやクイック設定パネルから飛行機のアイコンをタップするだけで簡単に試せるので、ぜひ実行してみてください。

STEP

「SIMカード」を一度抜いて挿し直す

意外と見落としがちなのが、SIMカードの接触不良です。

スマートフォンを落とした際の衝撃や、長期間の使用によって、SIMカードと本体の接触が甘くなることがあります。

一度スマートフォンの電源を切り、専用のピンを使ってSIMカードトレイを取り出し、SIMカードを抜いてみましょう。

金属のICチップ部分を乾いた柔らかい布で優しく拭き、再度正しい向きでしっかりとセットしてから電源を入れ直してみてください。

これで通信が復旧することも少なくありません。

STEP

「モバイルデータ通信」がオフになっていないか確認する

これも初歩的な確認事項ですが、何かの拍子にモバイルデータ通信の設定がオフになっている可能性があります。

Wi-Fi環境下ではネットが使えているため、この設定が見落とされがちです。

  • Androidの場合:「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」と進み、「モバイルデータ」のスイッチがオンになっているか確認します。
  • iPhoneの場合:「設定」→「モバイル通信」と進み、「モバイルデータ通信」のスイッチがオンになっているか確認してください。

これがオフになっていると、当然ながらモバイルネットワークは利用できません。

STEP

「Wi-Fi」を一度オフにして接続できるか試す

最後に、Wi-Fiを一度オフにして、モバイルデータ通信(4Gや5G)だけでネットに接続できるか試してみましょう。

Wi-Fiが不安定な状態で接続されていると、スマートフォンがWi-Fi接続を優先しようとして、モバイルネットワークへの切り替えがうまくいかないことがあります。

Wi-Fiをオフにすることで、強制的にモバイルネットワークへの接続を試みさせることができます。

Wi-Fiをオフにしても画面上部のアンテナピクトの横に「4G」や「5G」といった表示が出ない場合、モバイルネットワーク側に何らかの問題があることが確定します。


なぜ?「ネットは繋がるのに…」エラーが起きる5つの主な原因

ステップ1の緊急対処法で解決しなかった場合、もう少し踏み込んだ原因を探る必要があります。

このエラーが表示される背景には、大きく分けて5つの原因が考えられます。

ここで全体像を把握しておきましょう。

原因① 端末の一時的な不具合:最も多い単純なエラー

これはステップ1の「再起動」で解決する類の問題です。

OSのシステムや通信を制御するソフトウェアが一時的に不安定になり、電波を正しく掴めなくなる状態です。

長時間の使用や、多数のアプリを同時に動かした際に発生しやすくなります。

原因② 設定ミス:データ通信オフやAPN設定の誤り

モバイルデータ通信がオフになっている、という単純なミスのほか、特に格安SIMを利用している場合に重要なのがAPN(アクセスポイント名)設定の誤りです。

APNは、スマートフォンがインターネットに接続するための「接続先の住所」のようなものです。

この設定が正しくないと、SIMカードが正常でも通信できません。

OSのアップデートなどで設定がリセットされてしまうこともあります。

原因③ SIMカードのトラブル:接触不良や物理的な破損

ステップ1でも触れましたが、SIMカード自体の問題も考えられます。

接触不良だけでなく、ICチップ部分の汚れや傷、あるいはSIMカード自体の故障や寿命も原因となり得ます。

また、SIMカードのサイズが合っていないアダプターを使っている場合なども、不具合の原因になることがあります。

原因④ 通信キャリア側の問題:通信障害やメンテナンス

お使いのスマートフォンや設定に全く問題がなくても、契約している通信キャリア(docomo, au, SoftBankなど)側で通信障害メンテナンスが発生している可能性もあります。

この場合、ユーザー側でできることはなく、復旧を待つしかありません。

特定の地域で大規模な障害が起きていることも考えられます。

原因⑤ 契約・料金の問題:速度制限や料金未払い

最後に考えられるのが、契約内容に関する問題です。

例えば、月々のデータ通信量の上限を超えて速度制限がかかっている場合や、万が一スマートフォンの利用料金が未払いになっている場合、キャリアから通信を止められてしまうことがあります。


【Android編】原因別の詳細な設定と解決手順

ここからは、お使いのスマートフォンの種類別に、より詳細な解決手順を見ていきます。

まずはAndroidスマートフォンをお使いの方向けの解説です。

メーカーやOSのバージョンによって若干表示が異なりますが、基本的な流れは同じです。

APN設定を確認・リセットする方法

特に格安SIM(MVNO)に乗り換えた直後や、機種変更後によくあるのが、このAPN設定の不備です。

私自身の家族が大手キャリアから格安SIMに乗り換えた際も、このAPN設定が自動で行われず、「ネットに繋がらない!」と慌てたことがあります。

説明書通りに手動で設定したら、すぐに解決しました。

APN設定の確認方法は以下の通りです。
  1. 「設定」アプリを開きます。
  2. 「ネットワークとインターネット」をタップします。
  3. 「SIM」または「モバイルネットワーク」をタップします。
  4. 「アクセスポイント名(APN)」という項目をタップします。
  5. 契約している通信会社のAPNが選択されているか確認します。もし一覧にない、または選択しても改善しない場合は、右上のメニュー(︙)から「デフォルトにリセット」を試してみてください。

正しいAPN設定情報は、契約している通信会社の公式サイトや、契約時に受け取った書類に記載されています。

ネットワーク設定のリセットを試す

APN設定を見直しても改善しない場合、ネットワーク設定のリセットが有効なことがあります。

これは、Wi-FiやBluetooth、モバイルデータ通信に関する設定を一度すべて初期状態に戻す機能です。

保存していたWi-Fiのパスワードなどもリセットされてしまうため再設定が必要になりますが、原因不明の通信トラブルに効果的な場合があります。

  • 「設定」アプリを開きます。
  • 「システム」→「リセットオプション」と進みます。
  • 「ネットワーク設定のリセット」(または「Wi-Fi、モバイル、Bluetoothをリセット」)をタップします。
  • 画面の指示に従い、リセットを実行します。端末が自動的に再起動します。

OSのアップデートが滞っていないか確認する

スマートフォンのOS(オペレーティングシステム)が古いバージョンのままだと、通信機能に不具合が生じたり、セキュリティ上の問題が発生したりすることがあります。

常に最新の状態に保つのが基本です。

「設定」→「システム」→「システムアップデート」などの項目から、利用できるアップデートがないか確認してみましょう。

アップデートには大容量の通信が必要なため、Wi-Fi環境下で行うことをおすすめします。

特定のアプリが通信を阻害していないか確認する(セーフモードの活用)

非常に稀なケースですが、後からインストールした特定のアプリが、スマートフォンの通信機能を阻害している可能性もゼロではありません。

原因を切り分けるために「セーフモード」で起動してみましょう。

セーフモードは、システムが購入時の最低限のアプリだけで起動するモードです。

  • 電源ボタンを長押しします。
  • 表示された「電源を切る」または「再起動」のボタンをロングタップ(長押し)します。
  • 「セーフモードで再起動」のポップアップが表示されたら「OK」をタップします。

セーフモードで起動してモバイルネットワークが正常に利用できる場合、後からインストールした何らかのアプリが原因である可能性が高いです。

直近でインストールしたアプリから順番にアンインストールして、改善するかどうかを確認してみてください。


【iPhone編】原因別の詳細な設定と解決手順

次に、iPhoneをお使いの方向けの詳細な解決手順です。

基本的な確認項目はAndroidと似ていますが、iOS特有の項目もあります。

キャリア設定アップデートを確認する

iPhoneでは、通信キャリア(docomo, au, SoftBankなど)から、ネットワークのパフォーマンスを改善するためのキャリア設定アップデートが不定期に配信されることがあります。

このアップデートを適用していないと、通信が不安定になることがあります。

  • iPhoneがWi-Fiに接続されていることを確認します。
  • 「設定」→「一般」→「情報」の順にタップします。
  • 利用できるアップデートがある場合、この画面を開いてから数秒で「キャリア設定アップデート」というポップアップが表示されます。
  • 「アップデート」をタップして、インストールを完了させます。

何も表示されなければ、キャリア設定は最新の状態です。

モバイルデータ通信のオプション(音声通話とデータ)を確認する

モバイルデータ通信の設定内にある、音声通話の方式(VoLTE)の設定が影響しているケースもあります。

  • 「設定」→「モバイル通信」をタップします。
  • 「通信のオプション」をタップします。
  • 「音声通話とデータ」をタップします。
  • ここで「5Gオート」「5Gオン」「4G」などが選択できますが、一度別の設定(例:「4G」)に切り替えてみて、通信が改善するか確認してみてください。また、「VoLTE」のスイッチがあれば、一度オフにしてから再度オンにしてみるのも有効です。

ネットワーク設定をリセットする具体的な手順

Androidと同様に、iPhoneでもネットワーク設定のリセットは非常に有効な手段です。

Wi-FiのパスワードやVPN設定などが消去されますが、通信に関する多くの問題がこれで解決する可能性があります。

  • 「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」と進みます。
  • 「リセット」をタップします。
  • 「ネットワーク設定をリセット」を選択します。
  • パスコードを入力すると、iPhoneが自動的に再起動し、ネットワーク設定が初期化されます。

VPN接続が有効になっていないか確認する

セキュリティ対策や、特定のサービスを利用するためにVPN(仮想プライベートネットワーク)を利用している場合、そのVPNの接続に問題が発生してモバイル通信が利用できなくなることがあります。

「設定」アプリのトップページに「VPN」という項目があれば、それがオンになっていないか確認しましょう。

もしオンになっていたら、一度オフに切り替えてみて通信状況が改善するか試してみてください。


それでもダメなら「SIMカード」を徹底チェック

これまで紹介した設定関連の方法で解決しない場合、SIMカードそのものに物理的な問題がある可能性を疑ってみましょう。

SIMカードの金属面に汚れや傷がないか確認する

再度スマートフォンの電源を切り、SIMカードを取り出してみてください。

そして、金色に光るICチップの部分をよく見てみましょう。

指紋などの皮脂汚れが付着している場合は、メガネ拭きのような乾いた柔らかい布で優しく拭き取ってください。

また、目視で確認できるような深い傷や、カードの歪みがないかもチェックしましょう。

明らかな破損がある場合は、SIMカードの交換が必要になります。

他のスマホにSIMカードを挿して原因を切り分ける

もしご家族や友人のスマートフォンを一時的に借りられる状況であれば、原因を切り分けるための有効な手段があります。

それは、あなたのSIMカードを、正常に通信できている別のスマートフォンに挿してみることです。

  • 別のスマホでも通信できなければ → SIMカード自体の故障の可能性が非常に高いです。
  • 別のスマホなら通信できるのなら → あなたのスマートフォン本体の故障(SIMスロットの不具合など)の可能性が濃厚になります。

この切り分けができると、キャリアショップに相談する際にもスムーズに話が進みます。

SIMカードの有効期限や契約状況を確認する(特にプリペイドSIM)

あまり一般的ではありませんが、海外旅行者向けのプリペイドSIMなど、利用期間が定められているSIMカードを使っている場合は、有効期限が切れていないか確認しましょう。

また、キャリアとの契約プランによっては、特定の条件下でSIMカードの機能が一時停止されるケースも稀にあります。


最終手段:通信障害や契約状況を確認する方法

端末やSIMカードに問題が見当たらない場合、原因はあなたの手元ではなく、通信キャリア側にあるのかもしれません。

各キャリアの公式サイトで通信障害・メンテナンス情報を確認する

まずは、契約している通信キャリアの公式サイトにアクセスし、通信障害メンテナンスの情報が発表されていないか確認しましょう。

Wi-Fi環境があれば、スマートフォンやパソコンから確認できます。

大規模な障害が発生している場合は、テレビやネットニュースで報じられていることもあります。

料金の支払い状況をマイページで確認する

考えたくはない可能性ですが、口座の残高不足などで利用料金の引き落としができておらず、未払いの状態になっていると、キャリアによって通信を止められてしまいます。

各キャリアの「My docomo」や「My au」といった会員向けページにログインし、支払い状況に問題がないか確認してみてください。

データ通信量の上限に達していないか確認する

契約しているプランの月間データ通信量を使い切ってしまうと、通信速度が極端に低速(通常128kbpsなど)に制限されます。

この状態では、Webページの読み込みやアプリの通信が非常に遅くなり、結果として「モバイルネットワークが利用できません」と表示されることはありませんが、体感としては「繋がらない」状態に近くなります。

こちらも各キャリアのマイページで現在のデータ使用量を確認できます。


よくある質問 (FAQ)

ここでは、このトラブルに関連してよく寄せられる質問にお答えします。

APNって、そもそも何のことですか?

APNは「Access Point Name」の略で、スマートフォンが携帯電話ネットワークを通じてインターネットに接続する際の、いわば「窓口」や「接続先の住所」のようなものです。

特に大手キャリア以外の格安SIM(MVNO)を利用する場合、スマートフォンにこの「住所」を正しく設定してあげないと、SIMカードが正常でもインターネットに接続することができません。

海外で「モバイルネットワークが利用できません」と表示されたら?

海外でこのエラーが出た場合、まずは「データローミング」の設定を確認してください。

「設定」→「モバイル通信」の中にあるこの設定がオフになっていると、海外の提携キャリアの電波を使って通信することができません。

ただし、データローミングは高額な請求に繋がる可能性もあるため、利用しているプランが海外利用に対応しているか事前に確認することが非常に重要です。

SIMロック解除は関係ありますか?

関係ある場合があります。

例えば、docomoで購入したスマートフォンにSoftBankのSIMカードを挿して使いたい場合、そのスマートフォンに「SIMロック」がかかっていると、他社のSIMカードを認識できず、このエラーが表示される原因になります。

現在販売されているスマートフォンの多くはSIMフリー(SIMロックがかかっていない状態)ですが、中古で購入した端末などの場合は注意が必要です。


まとめ:それでも解決しない場合はキャリアショップへ相談を

今回は、「モバイルネットワークが利用できません」というエラーが表示される原因と、その対処法をステップバイステップで解説してきました。

最後に、ここまでの内容をチェックリストとしてまとめました。

最終チェックリスト

チェック項目確認済みか
【ステップ1】5つの緊急対処法(再起動、機内モードなど)
【ステップ2】Android/iPhoneの設定確認(APN、ネットワークリセットなど)
【ステップ3】SIMカードの物理チェック(抜き差し、清掃)
【ステップ4】通信障害・メンテナンス情報の確認(公式サイト)
【ステップ5】料金・契約状況の確認(マイページ)

もし、このチェックリストの項目をすべて試しても状況が改善しない場合は、スマートフォン本体のハードウェア故障(SIMスロットの不具合やアンテナの故障など)や、SIMカードの完全な故障の可能性が考えられます。

その際は、これ以上ご自身で悩まず、契約している通信キャリアのショップ(ドコモショップ、au Style/auショップなど)に端末とSIMカードを持ち込み、専門のスタッフに相談することをおすすめします。

この記事が、あなたの通信トラブルの迅速な解決に繋がれば幸いです。

【各キャリアのショップ検索はこちら】

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