OnlyFansコンテンツが流出?クリエイターが今すぐできる法的措置と訴訟までの全手順を解説

OnlyFansコンテンツが流出?クリエイターが今すぐできる法的措置と訴訟までの全手順を解説
OnlyFansコンテンツが流出?クリエイターが今すぐできる法的措置と訴訟までの全手順を解説

あなたのOnlyFansコンテンツが無断で流出させられた場合、泣き寝入りする必要は一切ありません。

DMCA申請発信者情報開示請求といった法的な武器を使い、削除や損害賠償を求めることが可能です。

この記事では、クリエイターであるあなたの権利を守るための具体的な方法を、専門用語を避けて分かりやすく解説します。

この記事を読めば、以下の3点が明確になります。

  1. コンテンツ流出を発見した直後に、あなたが最初に行うべき3つのこと
  2. 自分でできるDMCA削除申請の具体的な手順と、そのまま使えるテンプレート
  3. 弁護士に相談し、訴訟(発信者情報開示請求)に踏み切る場合の費用・期間・準備物
目次

流出を発見したら…パニックになる前にやるべき3つの初期対応

自分の大切なコンテンツが無断で、しかも悪意のあるサイトに転載されているのを発見した時、頭が真っ白になり、心臓が凍りつくような感覚に襲われるかもしれません。

その気持ちは、同じクリエイターとして痛いほどよくわかります。

しかし、どうかパニックにならないでください。今、あなたが感情的になってしまうと、相手の思う壺です。

このセクションでは、動揺しているあなたを落ち着かせ、将来的にあなたの権利を保護するために最も重要な「初動」を3つのステップで解説します。

深呼吸をして、一つずつ着実に進めていきましょう。

ステップ1:証拠を保全する(URL、スクリーンショット)

何よりも先に、そして最優先で行うべきことは「証拠の保全」です。

相手が証拠を隠滅する(=サイトや投稿を削除する)前に、あなたのコンテンツが無断転載されているという事実を、客観的な形で記録しておく必要があります。

これは、後の法的措置において極めて重要な意味を持ちます。

具体的には、以下の3点を必ず記録してください。

  • 無断転載されているページのURLをコピーする
    • ブラウザのアドレスバーに表示されているURLを、すべてコピーしてテキストファイルなどに保存します。複数のページに転載されている場合は、すべてのURLを記録してください。
  • ページ全体と、あなたのコンテンツが映っている部分のスクリーンショットを撮影する
    • あなたのコンテンツだけでなく、そのページがどのサイトにあるかを示すURLやサイト名、投稿日時などが一緒に写るように、ページ全体のスクリーンショットを撮影します。
    • スマホの場合は、スクロールキャプチャ(ページ全体のスクリーンショット)機能を使うと便利です。PCの場合は、拡張機能などを利用しましょう。
  • 動画の場合は画面録画を行う
    • 動画コンテンツが流出している場合は、スクリーンショットだけでは不十分なことがあります。PCやスマートフォンの画面録画機能を使って、動画が再生されている様子をURLなどと一緒に記録しておきましょう。

これらの証拠は、日付や時間がわかるように整理し、安全な場所に複数バックアップ(クラウドストレージなど)を取っておくことを強くお勧めします。

ステップ2:流出元を特定する(もし可能であれば)

次に、もし可能であれば、誰が、どこからあなたのコンテンツを流出させたのか、その「流出元」の特定を試みます。

例えば、特定のファンのみに公開したコンテンツが流出しているのであれば、そのファンが関与している可能性が考えられます。

ただし、ここで注意してほしいのは、絶対に深追いや個人での接触を試みないことです。

犯人探しに夢中になるあまり、相手を刺激してさらなる被害を招いたり、あなた自身が法的なリスクを負ったりする危険性があります。

この段階では、「〇〇というアカウントが怪しいかもしれない」といった仮説を立て、そのアカウントのプロフィールページのURLや投稿内容などを、ステップ1と同様に証拠として保全しておく程度に留めてください。

犯人の特定は、必要であれば後の法的手続きで専門家が行います。

あなたの役割は、あくまで冷静に証拠を集めることです。

ステップ3:精神的なセーフティネットを確保する

証拠保全という物理的な対応と同時に、あなた自身の心を守ることも非常に重要です。

このような卑劣な権利侵害は、クリエイターの魂を深く傷つけます。決して一人で抱え込まないでください。

  • 信頼できる友人や家族に相談する
    • 「こんなこと、誰にも言えない…」と感じるかもしれません。しかし、一人で苦しみを抱えるのは本当につらいことです。信頼できる人に話を聞いてもらうだけでも、心は少し軽くなります。
  • 公的な相談窓口を利用する
    • もし身近な人に相談しにくい場合は、専門の相談窓口があります。例えば、法務省が管轄する「みんなの人権110番」や、警察のサイバー犯罪相談窓口など、匿名で相談できる場所も存在します。

証拠を集め、心を少し落ち着かせることができたら、いよいよ具体的な反撃の準備に入ります。

まずは、この初期対応フローチャートで全体像を確認してください。

【図解】コンテンツ流出時の初期対応フローチャート

  1. 発見
    • 自分のコンテンツが無断転載されているのを発見する
  2. 証拠保全(最優先)
    • URLのコピー
    • スクリーンショットの撮影
    • (動画の場合)画面録画
  3. 精神的ケア
    • 信頼できる人に相談する
    • 公的機関の窓口を利用する
  4. 次のアクションを検討
    • この記事を読み進め、具体的な法的措置について理解を深める

なぜ違法なの?あなたの権利を守る2つの法的根拠

「無断転載されたのは悔しいけど、本当に法的に戦えるの?」と不安に思うかもしれません。

結論から言えば、断固として戦えます

あなたが心を込めて制作したコンテンツは、法律によって強力に守られています。

このセクションでは、あなたが相手に対して「NO」を突きつけるための、強力な法的根拠を2つ紹介します。

難しい法律用語を覚える必要はありません。「私にはこんなに強い武器があるんだ」ということを理解し、自信を持ってください。

根拠①:著作権侵害(あなたの作品を守る権利)

まず、最も強力な武器が「著作権」です。

よく誤解されがちですが、著作権は役所に登録などしなくても、あなたが作品(コンテンツ)を創作した瞬間に自動的に発生します。

あなたが撮影した写真一枚、作成した動画一本一本に、あなたの「著作権」という権利が宿っているのです。

これを「無方式主義」と呼び、日本の著作権法で定められています。

著作権法 第十七条 2項

著作者人格権及び著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要しない。

出典: e-Gov法令検索

つまり、あなたの同意なしに、他人があなたのコンテンツをコピー(ダウンロード)したり、自身のウェブサイトやSNSにアップロード(配布)したりする行為は、明白な著作権侵害という違法行為にあたります。

これは、たとえ相手が「ファンだから」と言い訳をしても、あるいは対価を取らずに公開していたとしても、何ら変わりありません。

あなたの作品は、あなたの許可なく他人が勝手に利用していいものでは断じてないのです。

根拠②:プライバシーの侵害・名誉毀損(あなた自身を守る権利)

もう一つの武器は、あなたの人格を守るための権利です。

コンテンツの内容によっては、著作権侵害だけでなく、以下のような権利侵害も同時に成立する可能性があります。

  • プライバシーの侵害
    • あなたの私生活上の事柄や、一般に公開を望まないような個人的な情報(容姿などを含む)が、あなたの許可なく公開された場合、それはプライバシー権の侵害にあたる可能性があります。OnlyFansのようなクローズドな場で公開していたコンテンツを、誰もが見られる場所に暴露する行為は、この権利を侵害していると評価されることが多いです。
  • 名誉毀損
    • もし、あなたのコンテンツが悪意のあるコメントと共に拡散され、あなたの社会的評価が不当に貶められたなら、それは名誉毀損に該当する可能性があります。例えば、「このクリエイターは〜だ」といった虚偽の事実や、侮辱的な言葉を付け加えて転載する行為がこれにあたります。

このように、コンテンツの無断流出は、あなたの「作品」に対する権利だけでなく、「あなた自身」の人格や尊厳をも踏みにじる行為です。

だからこそ、あなたは複数の法的根拠を持って、毅然とした態度で法的措置を講じることができるのです。

【自分でできる第一歩】DMCA削除申請でコンテンツを削除させる方法

さて、法的根拠という武器を手に入れたところで、いよいよ具体的な反撃の第一歩です。

弁護士に依頼する前に、あなた自身で、しかも無料でできる強力な手続きがあります。

それが「DMCA削除申請」です。

このセクションは、あなたが今すぐ行動を起こせるように、DMCAとは何か、そして具体的な申請手順を私の実体験も交えながら、どこよりも詳しく解説します。

ここは本記事の核心部分ですので、じっくり読んでみてください。

DMCA(デジタルミレニアル著作権法)とは?

DMCAとは、”Digital Millennium Copyright Act”の略で、日本語では「デジタルミレニアム著作権法」と呼ばれます。

これは1998年にアメリカで制定された法律で、インターネット上の著作権侵害からクリエイターを保護するための国際的なルールのようなものです。

難しく聞こえるかもしれませんが、要点はとてもシンプルです。

DMCAのポイント

「もし自分の著作物がネット上で無断利用されていたら、クリエイターはウェブサイトの管理者やプロバイダに対して、『そのコンテンツを削除してください』と正式に要求できますよ。そして、要求を受けた管理者は、法的な手続きに従って迅速に対応しなければなりませんよ」

このルールのおかげで、私たちは国境を越えて、世界中のほとんどのウェブサイトに対してコンテンツの削除を求めることができるのです。

削除申請の対象となるサイト

DMCA申請は、非常に広範囲のサイトに有効です。

  • 検索エンジン: Google, Bingなど
  • SNS: X (旧Twitter), Instagram, Facebook, Redditなど
  • 動画共有サイト: YouTube, Vimeoなど
  • 海外の違法まとめサイト・転載サイト

基本的に、アメリカの法律であるDMCAを順守している、あるいは国際的なルールを尊重しているほとんどのプラットフォームは、DMCAに基づく正規の削除申請を無視することはできません。

特にGoogleなどの大手プラットフォームは専門の対応チームを設けており、迅速に対応してくれます。

具体的な申請手順(5ステップ)

では、実際にDMCA申請を行う手順を5つのステップで解説します。今回は、最も影響力の大きいGoogle検索の結果から削除する場合を例にとりますが、他のプラットフォームでも基本的な流れは同じです。

ステップ1:無断転載サイトの運営者情報を確認する
まずはサイトの運営者に直接連絡が取れないか確認します。サイト内に「お問い合わせフォーム」や「運営者情報」のページがあれば、そこから削除を依頼するのが一番早い解決策になることもあります。しかし、悪質なサイトでは連絡先がなかったり、無視されたりすることがほとんどです。その場合は、迷わず次のステップに進みましょう。

ステップ2:DMCA通知の申請フォームを探す
Googleの場合、「Google 著作権侵害による削除」と検索すれば、専用の申請フォームが見つかります。

Googleの申請フォーム

著作権侵害による削除 – Google Legal ヘルプ

このページで、画面の指示に従い「著作権侵害」を選択していくと、申請用のウェブフォームにたどり着きます。

ステップ3:必要な情報を正確に入力する
フォームには、主に以下の情報を入力します。

  • 連絡先情報: あなたの氏名、メールアドレスなど。
  • 著作物を特定する情報: 削除したいあなたのコンテンツが、もともとどこに掲載されていたか(あなたのOnlyFansのURLなど)を説明し、それがあなたの著作物であることを示します。
  • 侵害物が掲載されている場所: ステップ1-1で証拠保全した、無断転載先のページのURLをすべて入力します。
  • 宣誓供述書: 「上記の内容に偽りはありません」と法的な宣言にチェックを入れます。

ステップ4:筆者が実際に送付したDMCA通知の文面テンプレートを共有
申請フォームでは、具体的に「著作物を特定する情報と説明」を記述する欄があります。どう書けばいいか迷う方のために、私が以前、自分のイラストを無断転載された際に使用し、削除に成功した文面を、より丁寧で法的な効力を意識したテンプレートに改良して共有します。

このテンプレートは、相手方にこちらの本気度を伝え、迅速な対応を促すことを目的としています。ご自身の状況に合わせて[ ]の中を書き換えてご活用ください。

▼【改良版】DMCA著作権侵害に基づく削除依頼テンプレート

件名:著作権侵害に関する通知および削除依頼

[サイト運営者様 / プラットフォームご担当者様]

私は、[あなたの氏名または活動名]と申します。
以下の著作物について、正当な著作権を保有する者です。

この度、貴社が管理・運営されている下記のウェブページにおいて、私の著作権を著しく侵害する行為が確認されましたので、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づき、当該コンテンツの即時削除を正式に要請いたします。

1. 著作権保有者情報

  • 氏名: [あなたの本名]
  • 連絡先メールアドレス: [あなたのメールアドレス]
  • 住所: [あなたの住所]
  • 電話番号: [あなたの電話番号]

2. 著作権を有する私のオリジナル著作物

下記のURLにて公開しているコンテンツは、すべて私が創作し、一切の権利を保有する著作物です。

  • 著作物名: [例:〇〇シリーズ、2024年10月公開コンテンツ など]
  • オリジナルコンテンツのURL:
    • [あなたのオリジナルのコンテンツへのリンク(例:あなたのOnlyFansページのURLや、ご自身のウェブサイトのURLなど)]

3. 著作権侵害が確認されたウェブページ(削除対象)

下記のURLにおいて、上記私の著作物が、一切の許可なく無断で転載・公衆送信されており、私の著作権(複製権、公衆送信権など)を侵害しています。

  • 侵害コンテンツのURL:
    • [無断転載先のURLをここに記載。複数ある場合は改行してすべて記載してください]

4. 宣誓

私は、本通知に記載された情報がすべて真実であることをここに宣誓します。

私は、著作権者本人であり、紛争の対象となっている著作物の使用が、著作権者、その代理人、または法によって許可されていないと誠実に信じています。

私は、この申し立てが不正であった場合、偽証罪に問われる可能性があることを理解しています。

以上の通り、著作権侵害の事実は明白です。

つきましては、貴社に対し、上記「3.」に記載した侵害コンテンツを、貴社のサーバーから即時に削除(テイクダウン)するよう、強く要求いたします。

本通知を受領後、速やかに対処いただけますようお願い申し上げます。

敬具

[あなたの氏名または活動名]
[通知年月日]

このテンプレートのポイントは、①誰が、②どの著作物の権利者で、③どこで、④どのように権利が侵害されているか、そして⑤何を要求するのかを、箇条書きで明確に示している点です。

これにより、受け取った相手は迅速かつ的確に状況を把握し、対応を進めやすくなります。

ステップ5:送信後の流れと注意点(カウンターノーティスについて)
申請を送信すると、通常は数時間〜数日以内にプラットフォームから受付完了のメールが届きます。

その後、審査が行われ、問題がなければ数日から1週間程度でコンテンツは削除されます。

ただし、ごく稀に、相手方が「自分には転載する権利がある」と主張する「カウンターノーティス(異議申し立て)」を送ってくることがあります。

もしこれが届いた場合は、法的な争いに発展する可能性があるため、その時点で弁護士への相談を検討するのが賢明です。

私の体験談:DMCA申請で48時間以内に削除を勝ち取った話

ここで、私自身の経験をお話しさせてください。数年前、私がウェブサイトで公開していたイラストが、海外の掲示板サイトに丸ごと無断転載されているのを偶然発見しました。

その時のショックと怒りは今でも忘れられません。

最初は途方に暮れましたが、DMCAの存在を知り、藁にもすがる思いでGoogleに削除申請を送りました。

上記テンプレートのような文面を書き、証拠のURLを添付して送信ボタンを押したのを覚えています。

正直、「本当に効果があるのだろうか…」と半信半疑でした。

しかし、驚いたことに、申請を送信してから約48時間後、Googleから「ご報告に基づき、指定されたURLを検索結果から削除しました」という内容のメールが届いたのです。

実際に検索してみると、あれほど憎らしかった無断転載サイトは、綺麗に検索結果から消えていました。

この経験を通じて、私はDMCA申請が決して気休めではなく、クリエイターに与えられた非常に強力な武器であることを実感しました。

あなたも、諦める前にぜひこの一歩を踏み出してみてください。

相手を特定して訴えたい…弁護士への相談と訴訟(発信者情報開示請求)

DMCA申請は非常に有効ですが、それだけでは解決できないケースもあります。

例えば、申請を無視する悪質なサイトであったり、次々と新しいサイトに転載されて被害が拡大したり、あるいは金銭的な損害賠償を求めたい場合です。

そんな時は、次のステップとして法律の専門家である弁護士に相談し、訴訟を検討することになります。

このセクションでは、弁護士への相談から訴訟までの流れ、気になる費用や期間について、私の友人の実例を交えながら具体的に解説します。

弁護士に相談すべきケースとは?

まず、どのような状況になったら弁護士への相談を考えるべきか、具体的なケースを3つ挙げます。

  1. DMCA申請を無視された場合
    • 大手プラットフォームはDMCAを順守しますが、一部の海外サーバーを利用した悪質なサイトは、削除申請を完全に無視することがあります。このような相手には、法的手続きによる圧力が不可欠です。
  2. 大規模に拡散され、金銭的・精神的損害が大きい場合
    • 一つのサイトだけでなく、複数のSNSや掲示板に拡散され、あなたの有料コンテンツが無料で配布され続けているような状況では、売上への直接的な打撃も大きいでしょう。精神的な苦痛も計り知れません。
  3. 流出させた相手に損害賠償を請求したい場合
    • コンテンツを削除させるだけでなく、無断転載によって生じた損害(逸失利益)や、精神的苦痛に対する慰謝料を相手に支払わせたいと考えるのは当然の権利です。これを実現するためには、訴える(訴訟を起こす)必要があります。

これらのケースに一つでも当てはまるなら、専門家である弁護士の力を借りることを真剣に検討するタイミングです。

訴訟の第一歩「発信者情報開示請求」とは?

「訴える」といっても、匿名の相手をいきなり訴訟することはできません。

そこで、訴訟の第一歩として行われるのが「発信者情報開示請求」という法的な手続きです。

これは、裁判所を通じて、サイトの管理者やインターネット接続業者(プロバイダ)に対して、「この書き込みをした人物の氏名、住所、メールアドレスなどの情報を開示せよ」と命令してもらう手続きです。

発信者情報開示請求の流れ
  1. サイト管理者に対し、IPアドレスの開示を請求
  2. 開示されたIPアドレスから、相手が利用したプロバイダを特定
  3. プロバイダに対し、契約者情報(氏名・住所など)の開示を請求
  4. 相手の身元が判明!

この手続きを経て、初めてあなたは匿名の相手を特定し、損害賠償請求などの法的措置を取ることができるようになります。

この手続きは複雑で、法的な知識が必須となるため、通常は弁護士に依頼して進めます。

弁護士費用と解決までの期間の目安

弁護士に依頼する上で、最も気になるのが費用と期間でしょう。

もちろん事案の複雑さによって変動しますが、一般的な目安は以下の通りです。

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費用の種類金額の目安説明
相談料0円~1万円/30分初回相談は無料の事務所も多い
着手金30万円 ~ 50万円程度発信者情報開示請求を依頼する時点で支払う費用
報酬金獲得した賠償金の10%~20%程度相手から賠償金などを獲得できた場合に支払う成功報酬
実費数万円程度裁判所に納める印紙代や、郵便料金など

期間の目安としては、相手を特定する発信者情報開示請求だけで約6ヶ月〜1年、その後の損害賠償請求訴訟まで含めると、1年半以上かかることも珍しくありません。

決して安くも早くもありませんが、それだけのコストをかけてでも、自らの尊厳と権利を回復したいと強く願うクリエイターにとっては、非常に価値のある手続きです。

弁護士に相談する前に準備すべきことリスト

ここで、私の友人であるフォトグラファーの実体験を共有させてください。

彼は以前、クライアントに納品前の未公開写真がネット上に流出してしまい、大変なショックを受けていました。

彼は当初、泣き寝入りも考えたそうですが、クリエイターとしてのプライドをかけ、弁護士に相談することを決意しました。

その彼が、相談前に「これを準備しておいて本当に良かった」と語っていたものをリストにまとめました。

弁護士への相談を考えているあなたは、ぜひ参考にしてください。

▼弁護士相談前に準備すべきことリスト

  • ① 保全した証拠一式
    • H2-1で集めた、無断転載先のURLリスト、スクリーンショット、録画データなど。時系列で整理しておくとベスト。
  • ② 被害状況をまとめたメモ
    • いつ、どこで流出を発見したか。
    • 現在、いくつのサイトに、どのくらいの期間転載されているか。
    • 具体的な金銭的被害額の概算(本来得られたはずの売上など)。
    • 誹謗中傷など、精神的な被害の内容。
  • ③ あなたのコンテンツがオリジナルであることの証明
    • 元データ(RAWデータや編集前のファイルなど)。
    • OnlyFansなどで公開した際の投稿画面のスクリーンショット。
  • ④ 相手に何を求めたいかの希望
    • とにかく削除だけさせたいのか?
    • 謝罪を求めたいのか?
    • 損害賠償(お金)を請求したいのか?
    • 希望を明確にしておくことで、相談がスムーズに進みます。

彼は、これらの準備を万端にして相談に臨んだおかげで、弁護士とのコミュニケーションが非常に円滑に進み、すぐさま発信者情報開示請求の手続きに入ることができたと言います。

準備が、迅速な解決への第一歩となるのです。

インターネット問題に強い弁護士の探し方

弁護士なら誰でも良いというわけではありません。

この種の問題は、ITやインターネット上の権利侵害に特化した弁護士に依頼することが、成功の鍵を握ります。

探し方としては、

  • インターネットで「IT 著作権 弁護士」「ネット誹謗中傷 弁護士」などと検索する。
  • 弁護士紹介ポータルサイトで、取り扱い分野から探す。
  • 初回無料相談を実施している事務所を複数リストアップし、実際に話を聞いてみる。

相談の際には、あなたの話に親身に耳を傾けてくれるか、難しい法律用語を分かりやすく説明してくれるか、費用体系を明確に提示してくれるか、といった点を確認し、あなたが「この先生なら信頼できる」と思える弁護士を見つけることが大切です。

【比較表】自分で対応 vs 弁護士に依頼

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比較項目自分で対応 (DMCA申請)弁護士に依頼 (訴訟など)
費用ほぼ無料高額(数十万円~)
スピード早い(数日~1週間程度)時間がかかる(半年~数年)
確実性大手プラットフォームには有効だが、無視されることも法的拘束力があり、非常に強力
精神的負担比較的少ないが、自分で対応する必要がある専門家に一任できるため、負担は軽減される
できることコンテンツの削除削除+相手の特定+損害賠償請求

今後のリスクを減らす!コンテンツ流出を防ぐための5つの予防策

無事にコンテンツを削除できたとしても、また同じことが起きては意味がありません。

クリエイターとして安心して活動を続けるためには、事後対応の知識だけでなく、今後のリスクを最小限に抑えるための「予防策」を講じることが不可欠です。

このセクションでは、あなたの貴重なコンテンツを未来の流出から守るための、今日から実践できる5つの具体的な予防策をご紹介します。

電子透かし(ウォーターマーク)を入れる

最も基本的かつ効果的な予防策が、あなたのコンテンツに「電子透かし(ウォーターマーク)」を入れることです。

これは、あなたの名前やロゴなどを、画像や動画の上に半透明で重ねて表示させる手法です。

ウォーターマークには、以下のようなメリットがあります。

  • 転載の抑止力: あなたのコピーライトが明記されているため、無断転載を心理的に躊躇させる効果があります。
  • 著作権の主張: 万が一転載されても、そのコンテンツが誰のものであるかを一目で証明できます。
  • 宣伝効果: 拡散された場合でも、あなたの名前やブランドの宣伝につながる可能性があります。

コンテンツの雰囲気を損なわないよう、デザインや配置を工夫することが大切です。

信頼できるファンとのみ共有する

OnlyFansのようなプラットフォームの利点は、コンテンツを共有する相手を選べることです。

すべてのコンテンツを不特定多数に公開するのではなく、特にプライベートな内容のものは、長期間あなたをサポートしてくれている、信頼できるファンに限定して公開するといった運用も有効です。

もちろん、信頼していたファンから流出させられるという悲しいケースもゼロではありません。

しかし、公開範囲を絞ることで、リスクを大幅に低減できるのは事実です。

ファイル共有設定を再確認する

意外な落とし穴として、クラウドストレージ(Google Drive, Dropboxなど)の共有設定ミスがあります。

ファンに限定コンテンツを提供する際に、これらのサービスを利用している方は特に注意が必要です。

「リンクを知っている全員が閲覧可能」という設定は、非常に危険です。

悪意のある人物によってリンクが外部に漏れれば、誰でもアクセスできてしまいます。

必ず、特定のメールアドレスを登録したユーザーのみがアクセスできるように、共有設定を厳格に見直してください。

定期的にエゴサーチを行い、流出を早期発見する

残念ながら、どれだけ対策をしても、流出のリスクを完全にゼロにすることは困難です。

そこで重要になるのが「早期発見」です。

週に一度でも良いので、ご自身のクリエイター名やコンテンツのタイトルなどで、GoogleやSNSを検索する「エゴサーチ」を習慣にしましょう。

Googleアラートなどのツールを使い、関連キーワードがウェブ上で言及された際に通知が来るように設定しておくのも非常に有効です。

被害は、発見が早ければ早いほど、その拡大を最小限に食い止めることができます。

漏洩対策ツールやサービスを検討する

より積極的に対策を講じたい場合は、専門の漏洩対策(リーク対策)サービスの利用を検討するのも一つの手です。

これらのサービスは、AIなどを活用してインターネット上を24時間監視し、あなたのコンテンツが無断でアップロードされていないかを自動で検出してくれます。

発見した際には、DMCA申請を代行してくれるサービスもあります。

もちろんコストはかかりますが、創作活動に集中したいクリエイターにとっては、心強い味方となるでしょう。

OnlyFansコンテンツ流出に関するQ&A

ここまで、コンテンツが流出してしまった際の対応策と予防策について詳しく解説してきました。

最後に、多くの方が抱くであろう、よくある質問とその回答をQ&A形式で簡潔にまとめました。

流出したコンテンツを閲覧・保存しただけでも違法になりますか?

非常に線引きが難しい問題ですが、一般的に、違法にアップロードされたものであると知りながら閲覧・ダウンロード(保存)する行為は、著作権侵害にあたる可能性があります。

特に、それをさらに第三者に配布・販売する行為は、明確に違法です。

軽い気持ちでの閲覧や保存が、大きな責任問題に発展するリスクがあることを認識すべきです。

海外のサイトに転載された場合も削除できますか?

はい、可能です。本記事で解説したDMCAはアメリカの法律ですが、国際的な影響力が非常に強いため、ヨーロッパやアジアなど、多くの国のウェブサイトがこの手続きに対応しています。

サーバーがどこにあるかを理由に諦める必要は全くありません。毅然と削除申請を行いましょう。

警察に相談することはできますか?

はい、相談は可能です。 特に、リベンジポルノの性質を帯びているなど、悪質性が高く、犯罪に該当する可能性があるケースでは、警察が動いてくれることがあります。

お住まいの地域を管轄する警察署の「サイバー犯罪相談窓口」に連絡してみてください。

ただし、警察は民事不介入の原則があるため、すべての著作権侵害に対応してくれるわけではない点には留意が必要です。

OnlyFansの利用規約ではどうなっていますか?

OnlyFansの利用規約(Terms of Service)する立場を明確に示しているのです。

まとめ:あなたの権利と作品を守るために、今日から行動しよう

あなたの素晴らしい作品と尊厳が、他人の手によって踏みにじられるべきではありません。

コンテンツ流出してしまった場合でも、法的な対抗手段は確かに存在します。

この記事で紹介したステップを参考に、まずは証拠保全から始めてみてください。

一人で戦うのが難しいと感じたら、専門家である弁護士の力を借りることも有力な選択肢です。あなたのクリエイターとしての活動が、これからも安心して続けられることを心から願っています。

最後に、あなたが今取るべき行動をチェックリストにまとめました。ご自身の状況を確認し、次の一歩を踏み出しましょう。

【表】コンテンツ流出時に取るべき行動 最終チェックリスト

チェック項目対応済みか
証拠(URL・スクショ)は保全したか?
自分でDMCA申請を試してみたか?
弁護士に相談するための準備はできたか?
今後のための予防策は講じたか?

参考文献

もしあなたが深刻な被害に遭い、法的な手続きを真剣に検討しているなら、

まずは一度、インターネット問題に詳しい法律事務所の無料相談などを活用してみることをお勧めします。

OnlyFansコンテンツが流出?クリエイターが今すぐできる法的措置と訴訟までの全手順を解説

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